幼馴染に酒屋の息子がいた。酒屋の仕事は店頭で酒を販売、スナックや居酒屋、個人宅にお酒を卸すのが仕事だったんだろう。幼馴染も中学生ぐらいの時から配達をしたり店番している姿を見たことがあった。私が高校生のなった頃、幼馴染の酒屋の経営が上手くいかなくなった。そこで3代続く酒屋を潰したくない幼馴染の父親は会心の一手を打った。酒屋からファミリーマートに鞍替えした。
確かコンビニで酒やタバコを売るのは免許があったと思うのですが、元々酒屋だったのでコンビニで酒を売ることができたんでしょう。煙草も酒も買えるコンビニというのが、町内では幼馴染の父親が経営するファミリーマートだけ。今から約24年前の話でコンビニの数も今ほど多くない。私の自宅から徒歩30分圏内にあるコンビニは幼馴染のファミリーマートとローソンだけだったこともあって、ファミリーマートは流行った。
私もよく買いに行ったし、人手が足らない夜勤時間なんかはバイトさせてもらった。ファミリーマートには角バーガーというのがあって、幼馴染が自由に食べていいと言ってたので、アルバイトの時は毎回、角バーガー3個ぐらい食べていたと思う。もちろん廃棄の弁当やサンドイッチも自由に持って帰った。
5年で次々と店舗を出して徒歩30分圏内に3店舗も出した。二十歳の成人式にセルシオで来る幼馴染を見て、父親に公務員を辞めてコンビニをしようと持ち掛けたぐらい羨ましく思っていた。
26歳の時、幼馴染のファミリーマートに行った。幼馴染は店長という肩書で働いていたが、どことなしか幼馴染はやつれているように見えた。
その時に交わした言葉は、「休みなしの週7で働いてるねん」「クリスマスケーキ注文してや」だった。
周りにはセブンイレブンやローソンができていた。驚くことに徒歩5分圏内のとこに同じファミリーマート(オーナーが違う)ができている。
これだけコンビニができれば、最盛期ほどの売上はないだろう。人件費を抑える為に週7で働いているのが分かった。
それ以来、幼馴染とは会っていない・・・・
先日、小学校の同窓会に出席した。私と同じ薄毛に悩む同級生と悩みを共有している時に、幼馴染はどうしているか?と私が聞くと、ある同級生が幼馴染のことを話し始めた。
幼馴染の父親が亡くなったこと。3店舗あったファミリーマートは全て閉鎖していること。幼馴染がある事件を起こして逮捕されて刑務所に入っていること。
幼馴染とは10年以上会っていないし、今後も会うこともないことを思うと凄く寂しい気持ちになった。
多店舗展開のリスクコンビニもそうだけど、ファミレス、カラオケ、ボーリング場、漫画喫茶など、やり始めたパイオニアの人はある程度、儲かると思う。しかし、その市場で儲かると思ったらすぐに参入されて市場は食い合いになる。特にコンビニは参入障壁が低い。脱サラした人がフランチャイズで始めれるのでタケノコのようにポコポコできる。元々は町内にファミリーマートしかなくてもセブンイレブン、ローソンが参入してきて凌ぎを削る。同じファミリーマートでもオーナー違いで近辺にできることもある。
町内に1店舗しかなかったが、今は6店舗のコンビニがある。コンビニが多いことは消費者にとって便利にはなるが、町内の人口が6倍になることはない。
決まった消費量を6店舗で奪い合うことになる。コンビニの本部は儲かりますけどコンビニオーナーの経営は大変です。
現在、デイサービスを2店舗任されている立場で働いている。現時点で儲かっているからと言って、安易に多店舗展開するのはどうなのかと考えさせられる。
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